Happy

Doll Project 2017

~いのちのストーリー~
 

このプロジェクトの創始から12 年。

病院でホスピタルアート活動を始めて15 年。

その1 年1 年に、かけがえのない、いのちのストーリーがあった。

ななちゃんと初めて出会ったのは8 年前。

福島の病院で絵を描くプログラムに参加した彼女はまだ、ほんの2 歳だった。

芯が強く、絵を描きたい!という意志が漲っていた。

それから幾度、この病院を訪れたことだろう。

再会のたびに、愛らしく賢い少女に育っていた。

成長期のほとんどを病院で過ごさなければならないやるせなさや、

闘病の辛さもあったに違いない。

しかし、いつもにこにこと、そして黙々と創る姿があった。

今年再び嬉しい再会!いつも側に寄り添う優しいお母様もやはり一緒だった。

もうすぐ10 歳のななちゃんは、今年初めて、針と糸にも挑戦!

布の柄を上手に活かして、ストライプのすっきりしたお魚を完成させた。

少し顔色が悪かったけど、ゆっくり休んだらきっと元気になる!

この日、ななちゃんの作品にはこんなメッセージが添えられていた。

しましまのぬのを見つけて しましまの魚を作りました。

あの魚には、自由というねがいがこめられています。

「早く病気をなおして自由になるぞ」と魚に自由のねがいをこめました。

自分のねがいをしましまの魚にこめられてうれしかったです。

それは、ななちゃんの真摯な願いであり、心の叫びであった。

それからひと月後、ななちゃんは天国へと旅立ってしまった……。

小さないのちが先立つ切なさと悲しみは、到底言葉にならない。

自由を求めて最後まで諦めずに闘ったななちゃんは

小さいながら勇敢に生き抜いたチャレンジャーだった。

今は全てから解き放たれ、自由を謳歌しているに違いない。

そう信じたい。

そして、こんなストーリーもあった。

5 年前に愛媛の病院で出会った、笑顔がとっても温かい少女、わかなちゃん。

彼女が先だちどれほどつらいだろうと案じていた、お母様との感動の再会だった。

今夏、被災地熊本の応援活動にボランティア募集をしたところ、

ちょうど熊本のご実家に帰省中だからと、

わかなちゃんの弟と妹を伴い、友人も誘ってくれて、

思いがけず協力に駆けつけて下さったのである。

それにしても、熊本ご出身だったとは!

人手が足りず困り果てていたので、どんなにありがたかったことだろう!

それにもまして、この日、私の心はどれほど救われたか知れない。

わかなちゃんと入れ替わるように生まれた妹と、お姉ちゃん思いの弟、

そして穏やかで幸せそうなお母様と再会できたことで、

長く私の心に刺さったままの棘が抜けたような気持ちだった。

家族一緒にわかなちゃんの死を乗り越えてきたに違いない。

この日の活動もHappy Doll Project。わかなちゃんに良く似た弟妹がつくる姿と

微笑みながら見守るお母様と一緒に、確かにわかなちゃんもそこにいる気がした。

作品が仕上がると、「お姉ちゃんと一緒に飾る!」と、

弟さんが展示ボードに掛けた。

その言葉に、行為に、ふいをつかれて涙があふれてきた。

わかなちゃんはみんなの心の中で確かに生き続けていたのだ。

ななちゃんのお母様やご家族とも、いつかこんなふうに

お会いできる日を迎えたい、と思った。

ななちゃんは最後のプログラム後に、こんな言葉も遺してくれていた。

「長年入院しているけど

まえに作ったハッピードールの人形があるから

がんばれているのだと思います。

また、ハッピードールを作れるのを楽しみにしています。」

ななちゃんのメッセージを大切に心に刻み、

これからもいのちのストーリーと向き合っていこうと思う。

そして、先立っていった子どもたち、人々が教えてくれた大切な事ごと、

いのちの重さ、大切さ、素晴らしさを、

伝え続けていかなければならないと改めて感じた。

一つ一つのいのちのストーリーは、そこで終わらない。

そこから始まるのだ。

-Story of Life-

It has been twelve years since this project started, and it has been 15 years since I started the project “Hospital Art.” Each year, there were stories of precious Life.

 

It was eight years ago that I met Nana for the first time. She was only two years old when she took part in the program in which we made paintings inside a hospital in Fukushima. She was a strong little girl with great enthusiasm for painting!

 

I can’t even remember how many times I’ve visited this hospital.

And every time I saw her, she has grown into a lovely and smart girl.

She must have had pain in her heart that she needs to spend most of her childhood inside a hospital, and also physical pain because of her disease.

But yet, she was always smiling, devoting herself to making something.

And this year, I was thrilled to see her again, and her lovely mother was beside her as always.

 

Nana was about to become ten years old, and that year, she attempted to use a needle and thread for the first time. Making use of the stripe of the fabric, she made a beautiful fish. She was a little pale at that time, but will recover after a good rest!

 

On this fish, Nana has attached the message below:

 

“I found a fabric with stripe, so made a fish with stripe.

In this fish, I have put my wish to be free.

I’m going to get over this disease and be free!”

 

It was Nana’s sincere wish and strong message from the bottom of her heart.

One month later, however, Nana went to heaven.

I don’t even know how to describe the grief and sadness to see small children go earlier than we.

Nana, who fought for freedom until the very end, was a small but brave challenger.

Now she must be free from everything, enjoying her ultimate freedom.

At least, I want to believe so.

 

And there was another story.

Five years ago, I met a girl named Wakana at a hospital in Ehime. Her smile is so warming.

She also passed away early, and I was worried about her mother. But I had a chance to see her mother again.

It was right after the Kumamoto Quake, and I was calling for volunteers.

Responding to this call, Wakana’s mother, whose hometown is Kumamoto, volunteered to help us, bringing with her Wakana’s younger brother and sister and her friend.

 

I was surprised that Wakana’s mother was from Kumamoto!

We were desperate to find more volunteers, so were truly thankful to her.

More than that, I was really relieved to see her in good spirits.

Wakana’s younger sister was born right after Wakana passed away, and her younger brother was so sweet to his sister.

Wakana’s mother looked very peaceful and happy.

It felt like a thorn that had long been stuck in my heart had finally been removed.

 

That day, we again did Happy Doll Project.

Watching Wakana’s sister and brother make a doll while their mother looked on and smiled, I certainly felt that Wakana was also there.

 

When their doll was complete, the brother put it on the board, saying, “I’m going to hang it for with my sister!” At this remark and action, something inside me burst into tears. Wakana does keep on living in the hearts of her family. Then I thought I want to see Nana’s mother and her family like this.

 

Nana left the following message after the last program:

 

“I’m in hospital for a long time, but can put up with it, because I have the Happy Doll that I made before. I’m looking forward to making a Happy Doll again.”

 

I will treasure this message by Nana as I continue to face the stories of life.

And I reminded myself that I need to send forward all the precious messages which the children and other people have left: how precious, important and wonderful life is.

 

 

Each story doesn’t end there.

They start from there.

2017年2月3日

福島県立須賀川支援学校医大校

​院内展覧会2/3-2/20

3 Feb. 2017

Fukushima Medical University Hospital Brunch of  Fukushima Prefectual Sukagawa Special Needs Education School​

Exhibition 2/3-2/20

須賀川養護学校医大分校で2年ぶり5回目となるプログラムを開催しました。今回も親子集会のお 招きを受けての実施。終了時間が来ても誰一人手を止めることなく、夢中になりました。「たくさ ん話をしながら作るとができてすごく貴重な時間でした」「子どもたちの笑顔が見れて嬉しかっ た」と保護者の方から感想をいただきました。

2017年6月21日

ルミエールしかまつ(神戸)

​院内展覧会6/21-6/28

21 Jun. 2017

Lumière Shikamatsu

​Exhibition 6/21-6/28

重度認知症の方々が暮らす高 齢者住宅。2008年に訪れた ホスピス「はやしやまクリ ニック」からの長年に亘るリ クエストに応えて、9年ぶり に同じ医療法人が運営する施 設へ訪問することが出来まし た。日常生活の中では見られ ない入居者の皆さんの変化や 発見に、職員さんたちから驚 きの声が!歩んできた人生を 物語るような作品をつくった 方もいらっしゃいました。 重度の症状と向き合う高齢者 の方々が集い、穏やかなひと ときを共有したプログラムと なりました。

2017年7月4日

長野県立こども病院(小児病棟)

院内展覧会7/4-7/14​

4 Jul. 2017

Nagano Children's Hospital  

Exhibition 7/4-7/14​

長野県立こども病院 から嬉しいご要望を いただき、2年ぶり2 回目のハッピードー ルプロジェクトを開 催しました。1日目 は小児病棟へ。もう すぐ生まれてくる兄 弟へ、おばあちゃん へ、病気と闘うわが 子へ…。それぞれの 願いを込めたたくさ んのハッピードール が誕生しました。2 日目は母子医療セン ターへ。新しい命の 誕生を待つお母さん たちとのプログラムとなりました。

2017年7月5日

長野県立こども病院

(総合周産期母子医療センター)

院内展覧会7/4-7/14​

4 Jul. 2017

Nagano Children's Hospital  

Exhibition 7/4-7/14​

長野県立こども病院 から嬉しいご要望を いただき、2年ぶり2 回目のハッピードー ルプロジェクトを開 催しました。1日目 は小児病棟へ。もう すぐ生まれてくる兄 弟へ、おばあちゃん へ、病気と闘うわが 子へ…。それぞれの 願いを込めたたくさ んのハッピードール が誕生しました。2 日目は母子医療セン ターへ。新しい命の 誕生を待つお母さん たちとのプログラムとなりました。

2017年7月25日

東京大学医学部附属病院

院内展覧会7/25-7/31​

25 Jul. 2017

The University of Tokyo Hospital

Exhibition 7/25‐7/31​

 

(北病棟)数日前から楽しみに待っていてくれた子どもたち。「病院でこんな時間が持てるとは思わなかった」と、ご家族からも 感想が寄せられました。それぞれに創意溢れる作品を完成させ、笑顔いっぱいの時間となりました!

(南病棟)南病棟は多数の男の子が 参加。創作意欲に火がつ き、終了時間が来ても手 が止まらない子どもた ち。次から次へと新しい 作品を生み出し、「次は ○○をつくる!」と目を 輝かせ、真剣につくる姿 が印象的でした。

2017年8月3日

熊本大学医学部附属病院

院内展覧会8/3-8/22​

3 Aug. 2017

Kumamoto University Hospital

Exhibition 8/3‐8/22​

熊本大学医学部附属病院でハッピードールプロジェクトを開催しました。1年ぶりの再訪。長期入院の子ど もたちも多く、昨年参加してくれた親子との再会もありました。「楽しかった!」「子どもの笑顔が見れて 何より嬉しかった…!」今回もたくさんの笑顔が生まれたハッピードールの時間となりました。